みなさん、こんにちは。
もう何週間もまとまった雨を見ていない気がするのは私だけでしょうか。
天気予報をみても、ずっとオレンジ晴れマーク、ときには真っ赤のギラギラ太陽の日も見かけます。
昨日から8月に入り、暑さ真っ只中。
この暑さを乗り越えたら、お米が収穫され恵みの秋が迎えられます。
今は一生懸命、穂を出してるところでしょうか。
お米にとっても時期があるように、木にとっても時期があります。
今日は、木にとっての適切な伐採時期についてご紹介します。
① 木の事情
木は春から夏にかけて、根から大量の水を吸い上げます。葉を広げ、幹を太らせるための成長期です。
水分をたっぷり含んだ木は、伐ったあとの扱いが難しくなります。
運び出すまで土場に置いていた期間に、虫がついたり、材の表面が黒ずんでしまうこともあります。
木材市場でも、この時期の出荷量は決して多くありません。
バイオマスや薪燃料になるならまだしも、とくに神社の御神木のように、伐採したあと活用用途がはっきりしている場合、よっぽど倒れるなどの危険性のある木以外は、まず夏場に伐採するという選択肢にはならないはずです。

② 使う人の事情
私はこの仕事を始めた当初、こう思っていました。
「水分が多いなら、その分たくさん乾燥させればいいだけの話では?」
そう思って、実際に夏場に伐採した木を自然乾燥させてみたところ、割れは激しく、同じ樹種を冬に伐った状態と全く違ったことにびっくりしました。
木の中の水分は、含水率30%あたりを境に、性質が変わるそうです。
そこまでは細胞の隙間にある水が抜けるだけですが、それを過ぎると細胞の壁そのものが縮みはじめるのです。
やっかいなのは、縮み方が方向によって違うこと。
板目の方向がいちばん大きく縮み、柾目、繊維方向の順に小さくなります。
この差が、反り・ねじれ・割れを生みます。(ここは話が長くなりそうなのでまた別の機会に・・・)
つまり、最初に含んでいた水分が多いほど、縮む量が大きくなり、狂いも出やすくなる。
家具屋さんや木を扱う職人さんにとって、これは死活問題です。
板に挽いても、狂った部分は商品になりません。
一本の木から取れる使える材の量(歩留まり)が落ちてしまうのです。
仕入れの金額、その後の売上に大きく関係してきます。
木は冬の休眠期="眠っている間に伐る"ほうが伐られる木にとってもいいし、その後の扱いやすさが違ってきます。

③ 伐る人の事情
もうひとつ、伐る側の事情もあります。
真夏の外仕事は、冬にはほとんど取らない休憩が必要になります。
水分補給のための休憩、熱中症を防ぐための休憩。体力の消耗も比べものになりません。
同じ1日作業でも、夏場となると、1.5日かかってしまう現場もあります。
そのため、夏場は通常の見積りに20〜30%を上乗せせざるを得ないという同業者さんの声も耳にします。
私達こもれび林業はというと、個人のお客様が多いので、緊急でない限り、できるだけ秋以降の伐採を提案させて頂いております。
冬には別の利点もあります。
葉が落ちていて見通しがきくため、木にカヅラが巻いている場所をすぐ特定できたり、見通しも効く為、安全に作業しやすい。
夏場のように、足元に下草がある為に作業前に刈払機で刈っておかないといけない、という作業も発生しません。
さらに、水の吸い上げが減る休眠期の木は、それだけ軽くなります。
枝の手運びの負担や実際の量が減るぶん、処分にかかる費用も抑えられることもあります。
暑さのなかで無理をすれば、思考能力も低下しやすく、事故にもつながりかねません。

まとめ
夏の伐採が避けられるのには、木・使う人・伐る人、それぞれに理由があります。
- 秋から冬の木は水分が落ち着いている(研究データでも示唆)
- 乾かしても「狂い」は消えないため、木を使う職人に敬遠される
- 夏は作業効率が落ち、費用も上がることがある
だからこそ、林業の本番は冬なのです。
もちろん、倒れそうな木や、生活に支障が出ている木は、季節を待つ必要はありません。
危険があるなら、すぐに手を打つほうが得策です。
そうでなければ、秋以降の伐採をおすすめしています。
木にとっても、伐る側にとっても、そしてご予算の面でも、無理のない選択になります。
夏のあいだにご相談とお見積りだけ済ませておけば、涼しくなった頃にすぐ動けます。
こもれび林業は、島根県益田市を拠点に、特殊伐採・高木伐採のご相談を承っています。